2009.10.04

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2009.08.30

真実

忘れないために記録しとく。

*****************************

アタシは
自分が思っていたより
沢山のことをすり替えてしまっていた。


人間の記憶が
ここまで曖昧なら
アタシが覚えていること全てが
曖昧な気もした。

それでも
確かなのは
アタシは貴方を愛していたし


アタシは貴方に
本当に愛されていたことを改めて知った。




お義母さんは ずっと
アタシの前では泣かなかったと思っていたけれど
そうではなかった。


アタシは本当に貴方に、そして何人もの人の優しさに
包まれて支えられて8年間生きてきたことを思い出した。




あの夜、
アタシは貴方に我儘を言ったんだね。

アタシはあの夜、どうしても貴方に会いたかった。


貴方は私の願いを聞き入れてくれた。


そして事故に遇った。



私の記憶は
殆ど間違った記憶だった。

アタシは今日までずっと
あの夜に貴方はアタシに会わずに死んでしまったと思っていたけれど、そうではなかった。



貴方はあの夜重症で病院へ運ばれ
私はお義母さんから連絡を貰って


病院へ行ったんだ。



そう。
私は貴方が息をひきとるときには貴方の手を握っていた。



そんなこともアタシは
全て忘れていたの。



でも思い出した。





その時アタシが見た貴方には
アタシが知ってる面影は何処にもなくて
傷だらけで 顔をみても
それが本当に貴方だったのか
アタシにはよくわからなかった

恐る恐る触れたら
まだ少しだけ温かかったけど
どんどん冷たくなっていった。


アタシが其処に寝ているのを
貴方かも知れないと
信じざるを得なかったのは

唯一あまり傷の無かった左手が
私の知っている貴方の左手によく似ていたから。


私はあの日の夜
病院で冷たくなっていく貴方の左手を握っていたの。



そうあのとき
お義母さんは凄く泣いていた。
お義父さんはお義母さんを支えながら一緒に泣いていた。

でも遺体の修復作業のため、
アタシ達は貴方から離れなきゃならなかった。


お義母さんとお義父さんはアタシを連れて部屋を出ようとしたんだけど、
私は頑なに首を振って、なかなか貴方の手を離そうとしなかったんだって。


その後の話も
お義母さんは、知っていることは細かく丁寧に教えてくれた。


アタシが今日初めてお義母さんに告げる事実だと想っていた記憶も
もうお義母さんは誤ってもらったのよ。と言う。


どうやらアタシは病院で
なんどもなんども
頭を下げていたらしい。

アタシのせいで貴方が死んでしまったと
二人が止めてもずっと頭をあげなかったって。



でもその事実を貴方の口から聞いたときはさすがに少し恨んだわ。
とお義母さんは笑った。


でも、すぐにお義母さんはアタシのことを抱き締めてくれた。

聖がアタシを大切に思っていたのを
しっていたし
アタシがあの頃、どれだけ聖を頼りにして生きているかも知っていたから
アタシがこの子を聖の代わりに守らなくちゃと思ったって。
聖はきっとそう望んでいるって、思ったのよね。
とお義母さんは話してくれた。

それからは、貴方の家族はみんなでアタシを守ってくれていたのね。

アタシはあの夜の記憶を
自分の意志で書き替えて
真実に鍵をした。


自分の我儘で自分が聖を殺したと自分を責めて。
耐えられなくなって真実に鍵をした。
みんな、それに気がついていたから、
アタシがこれ以上傷つかないように、
真実は、うやむやに、アタシに笑いかけてくれていた。




アタシを守るために
今まで黙って見守ってくれていた。



大きな愛を感じた。




アタシは貴方にだけじゃなくて
貴方の家族からも愛されていたんだ。



貴方のお義母さんはいった。

貴女を娘のように思っているわ。

聖を愛してくれて、苦しんでくれて、そんな貴女の姿をアタシは見ていたから。

貴女には自分を責めるんじゃなくて
自分を愛してほしいの。

貴女は聖が大切にしていた子なんだから

幸せになってもらいたい。

聖の事故に
縛られてしまわないでほしい。


本当よ。
アタシは貴女に幸せになって欲しいって心から思っているわ。



聖はもういないから、
貴女を幸せにしてあげることはできないけれど

貴女が幸せになることを
妬んだりしないわ。

聖が昔言ってたことを
アタシは覚えてる。
貴女は真面目で
自分を犠牲にしても大切なものを支えようと、守ろうとするから
心配なんだって

そう言ってたわ。



でも、自分が幸せになろうとはしないんだよって。
自分のことは二の次なんだ。

だから自分が幸せにしたいっておもうんだよなって。



貴女は幸せになってもいいのよ。





お義母さんはそういって
アタシにブレスレットをくれた。


貴女はもう、
大丈夫ね。


久しぶりに会って
そう感じたから、本当のことを全て話したわ。


アタシたちはみんな
マコトちゃんが幸せに笑っていてくれると思っているからね。



そう言ってお義母さんは泣いた。

きっとあの夜から
見ていない涙。




アタシが
あの家に行くことは
多分もう二度とないだろうと玄関を出るときに感じた。。


温かな家族だった。



アタシは貴方や、貴方の家族にまで本当に沢山の愛を貰ったから
そろそろ此処を離れるよ。




ありがとう。







貴方がもしも意図的に
アタシの記憶の扉の鍵を開けてくれたんなら


今がそのときなのかな。


貴方のことは死ぬまで忘れないよ。




でももう
貴方を思って泣くことは辞める。


ありがとう。
大好きだったよ。




貴方のように
貴方の家族のように

人を想える人にアタシもなりたいな。

2009.08.27

* **

200908231809000.jpg
いっておいでと
背中を押して

僕は此処を離れずに
何処へも行かずに君を待つよ


君が泣いて帰ってきたって
君が笑って戻ってきたって


聞かせてほしい。




君が何故

笑っているのか

君が何故

泣いているのか




君が悲しいなら
一緒に泣くよ。

君が苦しいなら
手を握るよ。

君の心が痛いなら
キスをおくるよ。




アタシが送った電子記号で


貴方はアタシの心臓を直に触る。







泣いているのが聞こえたんだ。






来るはずのない深夜0時

君の優しさが痛いくらい伝わってきた







ざわざわしていても

僕のために眠っておくれ。





一人じゃないよ。






僕がいてあげられる時間は
そう 長くはないけれど





さぁ、確かめておいで。

君自身を。





靴を履かせてくれた。




アタシが歩きだせるように。

2009.08.25

パンドラの箱



PCが壊れた。 

**************



鍵を無くした箱を 

クローゼットの奥に隠していた。
中に入れたものは
宝物なのか
隠し物なのか
自分でもわからない箱。

いや、その箱の存在すら 
アタシは忘れかけていたのかもしれない。 




しかし、 
その箱は 突然目の前で開かれた。 


何の前触れもなく。


誰が出してきたのかも 
誰が鍵を開けたのかも 
どうして今、8年もの時を経て
突然目の前で開かれたのかも 
わからない。 わからない。






箱の中身は 
見覚えのある携帯電話。 



昔よく聞いたメロディーが響いていた。



恐る恐る 携帯電話を取る。 





電話の向こうから聞こえた声で 

私は思い出した。 









あの夜の会話。 






あの夜、 アタシは 
その記憶を箱に入れて鍵を掛けた。 






アタシの罪。




鍵を掛けた過去。 






今、何故突然アタシは
しまい込んだ過去を引っ張りだしたんだろう。 





ねぇ、アタシが 
貴方を殺したの?




2009.08.19

最後のお願い


さよならの直前の
最後のお願い。 





どうか死ぬまで 
私を忘れないで。 




いつも思い出さなくていいから 
最後に逝くときに 
思い出すのは アタシにして。 






私は 貴方を忘れない。 





だから 

どうか
 私を忘れないでください。

2009.08.07

蜘蛛の糸

JUGEMテーマ:photo



 見え透いた嘘すら そっとしまい込んで

 “愛おしい”などと言うの。

 慌ただしい太陽の下と 月明かりの下の静寂の
 微妙な関係性を ぐるぐると考えていたら
 夜が明けてきて 慌てて眼を瞑る



 此処を離れる支度をしよう。
 
 さよならはすぐにやってきて、
 あっという間に過ぎていくから。




 貴方の言う 完璧な貴方は
 アタシから見たら 痛々しくて
 泣いている子供を見ているみたいだったわ。


 誰かに堪らなく逢いたいのに
 誰かに堪らなく触れたいのに
 誰かに凡てを話してしまいたいのに


 いつも 流れるメロディーにかき消されて 
 本当の自分を見失う




 鏡に映らない アタシを
 誰か 見つけてって
 いつだって叫んでる。






 信じられないくらい嫌いなのに
 接着剤みたいな言葉が
 絡んで、どこにもいけそうにない。





 別に それでも明日は来るから 
 また 生きている 。

2009.08.02

葛藤

JUGEMテーマ:photo




勝手に過ぎていく日々は

止まることがなくて

幸せな時間も
悲しい時間も
悔やんだ時間も

意思とは関係なく流れてく

明日 君が隣にいる保証は
いつだってないけど
今 君が隣にいてくれるから
幸せって思えてることを
きっと君は知らない。


例えば 君の優しさに
どんな下心があっても
きっとアタシは
君が泣いていたら 隣で手を握るでしょう
君が求めるなら アタシでいいなら差し出すでしょう
君の 我儘な要求も 
君の 小さな涙も
君の 大きなジレンマだって
それすら愛おしくなるのでしょう

たとへ 君が 誰のもとへ帰っても

君の優しさを 嘘とは思えないアタシは
きっといつか 地獄へ落ちるんだ




その時は 一人で逝くから

その時が来るまでは 求め続けてください。